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/ / } /// / /, ,1 . / // l | // // / |i //〃 ..二Ll.__ j // // / lハ |l . // / ,/ j/ / j i /「フ! /斗ャ冖jT7¬= // /!i l| /l| / /| ///| / // / }| }l / | l| //| ,‐ァ≠≡ミ ! / /厶≠=-lL,刈 〃 j.l.| /l | / ヘ K 刈 l.|. / / K乃ハ7ナテ‐/ // l 川 /llll|l / { |弋zツ j/ 弋_z ヅ// /// / l | ' /| lll}l |/,ヘ. V / //// . | | /ll|}l|lllll!lll|ll≧、 ! 〃 j//// j | /jlll|l|///jlll|l|lllllヘ. .._ _. 〃 ///// . j/ ll|/// l| l| |lllllllll\ / , ////// . / ll|// !八l| |lllllllllllll} h、_ </ //////// >‐-ミ/ jj,ノll|v{VvV ヾ^ /// ///////// . / \ / / ////// '// / `ーァ''" ̄ { /// ' ' ,′ K) .._ |l / ゝ..__,.-‐ } ム)  ̄ |/ _ ,.. {ワ ,′ ヽ} }____,. -‐=≡=- ,,_ イ . / j / // //// // // ̄ ̄\| / ノ { // //// // // /// } 一夏さんの大奮闘と安価で地雷を踏みぬいた結果として出現した創造神 かつて現実世界でやる夫の恋人だった女性でもある 存在自体は幕間で登場しており、酒の席でのやる夫との問答で自身が神様である事や「全部思い通りになる世界が欲しい」と漏らしており、お開きになった後やる夫の目の前で本当にその考えを実行に移した 本人によると涼宮さん(ハルヒの事?)が幸せで力を失ったのに対し、自身は幸せになったことでより欲深になったらしい と言うか元々(佐々木が弄り出す前の現実世界)のやる夫が恋愛観を物凄くドライに考えるリアリストだった事に対し、佐々木が運命論的なロマンチストだった事による意見の相違から今の世界と物語は始まったと言える そして第二部1スレ目の 551で「理解」した佐々木の法則に対し、安価の結果、満場一致でNoを叩き付けた +メタナイトから得たステータス __ _ - ´ ` ー 、 _ - ´ \ \\ / . .ヽ . . . \\ / . .ヘ . . . .ヽ. \ / . . . ト . . . .ヽ ..ヽ / , .i . . . !\ ヽ . . . . .ヘ . ヽ /. / l . .,' | \. . ヽ . . . . . . . .! . .ヽ !. ./ | ,'. .! \ ヽ .、 . . ! . . .ヽ l . .!. . . .! ,' ./ _ゝ‐- |、 .! . . . .ヽ !. ..l. . | l イ;.!, -'"´ ト . . ! l ..| . . . . . !. !. . | ト; .! l !イ !ヽ |.!/ . . . . . . l| ! ', , x-─ . ... . l!.| レ 彡≠、k_ヾ ..r-、. . . . .!. ! . .! ヘ ,x '´ ト、ヽ . . . !レ ー斗匕て',ラ゙ . . . !., ヽ. . . }. l. . .', .X .ヘ-、 . fヽ \_,' "ヘっ_.. .ノ.! . . . k' / . . .i !. ', ヽ .´. ヽ、 .ヘ xz≠ミk ゝ- ´ ! . . . .Y. . . ...ヘ l. ヽ ヽ、 .\X〈!ら .. ;.ぅ | . . . . .i. . . . .|. ヽ ',. .` -`_t xz、 ヘヒr- ´ 、 |. . . . . .!. . . . ト、. ヽ l . ..iヘしヽ , ,.l ./ l./ .ィ ハ.} ー` ', ヽ . . .ヽ ニ ー "´ イi .////ソ リ i; .ヽ . . . . . . .. . .ヽ、 _ / リ/iイ' } ト 、ヽ . \. . . . .. . . . .、ニ ― t - ' メ | .ヽヽ .ー 、_ヽ_Zー‐ ̄ー` i ' , l ハ トヘ  ̄ j ` - _ // ゙ー / ` - y`ーv、__佐々木 ???神格……Ex 技能……E 精神……Ex 強度……Ex 特異……Ex 器量……E特殊能力君に捧ぐ鋳型世界……あらゆる因果律、運命をたった一つに捻じ曲げる能力。 いかなる横やりが入ろうとも、決して定められた結果以外に到達することはなく、 到達しなかった場合、幾度でもやり直す。 この世界によって生み出される世界は、自滅因子が最初に定められているため発生せず、 その定められた自滅理由以外では絶対に崩壊しない。その他の能力???
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佐々木さん犬しゃしゃきじゃなくて犬佐々木になるの巻 キョン「どうした佐々木、こんな人目を避けるような公園の隅に呼び出して。 しかもそんなフードまで被って。なんかえらく怪しいぞソレ」 佐々木「……キョン、驚かないで聞いてほしいんだ。僕にも理屈はわからない。 正直、僕自身混乱している。ただ、朝目覚めたら、こうなってしまっていたんだ!」 キョン「うわ! 佐々木に犬耳!? しかもふさふさの尻尾まで!!」 佐々木「君には迷惑だと思うが、他に相談できる相手も考え付かなかったんだ」 キョン「九曜とかそっち方面詳しそうだけどな」 佐々木「……考え付かなかったんだ(力説)! やっぱりこんな僕はイヤなんだね。 気持ち悪いとか関わりたくないとか思っているんだね」 キョン「いや待て落ち着け佐々木。分かった分かった。正直俺に何が出来るかわからんが、 お前を見捨てるような真似はしないから安心しろ」 佐々木「キョン……、ありがとう」パタパタ キョン「まあ、とりあえず人目につくとアレだから、ウチにでも来るか?」 佐々木「そうさせてもらうよ。さすがにこの姿を両親に説明する言い訳は思いつきそうにないからね」 (中略 とくに妹とか中略) キョン「何とか妹に見つからずに部屋までたどり着けたはいいが、 こらシャミ、全身の毛を逆立てて威嚇するのはやめなさい。気持ちはわかるがこれは佐々木だ」 キョン「それにしても、本当に毛がフサフサの犬耳だな。普通の耳とは別に生えてるのかコレ」 佐々木「き、キョン、そんなに耳をやさしく撫でないで……アン」パタパタ キョン「ああすまん、気持ち悪かったか。きちんと感覚もあるんだな」 佐々木「もっとやっても……いやいや、僕も動転してきちんと確かめなかったんだが、 確かに今の僕は生物学上異質に過ぎる体のようだ。 今更突っ込む話でもないが、耳が4つあるということは、つまり僕の聴覚神経が 犬耳の方にもついているのであって、頭蓋骨の形から変形していると見るべきだろう。 まあつまりどうにも、常識的な見地からすれば、今の僕はナンセンスの極みというわけだ」 キョン「まあマトモにつっこみはじめると切りないしな。尻尾とかも」 佐々木「き、君の好奇心は次は尻尾の付け根がどうなっているかに向かうんだね。 これでも年頃の女性として羞恥の極みだが、事態解決のためにどうしてもと言うのなら、 君が不埒な気を起こさないことを条件に観察を許さないでも……」パタパタパタパタ キョン「いや俺が見てもどうにかなるもんじゃないしなあ。 ここはやっぱり、ウチの長門か、そっちの九曜のコズミックパワー関係者にでも 来てもらうしかないだろ。とりあえずここに長門呼ぶから。お前も九曜呼んでくれ」 佐々木「……わかった。でもキョン、もし、このまま僕が元に戻らなかったらどうしよう…… 衆目に知れたら、僕は学術機関に解剖されたり、マスコミの晒し者になってしまう。 キョン「お前でも不安になることはあるんだな。いやすまん、でもお前のそういう顔、初めてみたよ」 佐々木「僕をなんだと思っているんだね。僕はただの平凡で臆病ないち高校生に過ぎないよ」 キョン「すまんすまん、なんか、まわりに異常な現象ばっかりおきるもんで、 どうにも常識的なセンスがずれちまってらしい。俺にできることは何でもするから、 許してくれ」 佐々木「じ、じゃあ、もし僕がこのままだったら、君がずっと匿ってくれるかい? その、君の……いわゆるひとつの愛玩動物としてでかまわないから」 パタパタパタパタパタパタパタ キョン「まあ冗談が言えるくらいならまだ平気だな」 佐々木「ちょ、冗談なんかじゃ」 キョン「大丈夫、長門ならきっと何とかしてくれるって。あ、もしもし長門、すまんが、 またトラブル……、え? 来てくれる? 話が早くて助かるよ。 いつものこと? あなたなら問題ない? いや本当すまん、恩に着る」 佐々木「…………」 (色々あって治りましたとさ) 佐々木「……寝る前に! ふと考えたんだ! どれだけ言葉を連ねても分からない人に、 犬の尻尾みたいに! 見てすぐ分かる指標があれば! 少しは伝わるかなって!」 橘「佐々木さん、泣きながらなまこをグーで殴らないでクダサーイ!! 拳は痛まないけど、見ていて人の尊厳がギュンギュン傷ついていきますー!」
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目が覚めるとそこに見慣れた顔があった。 普段学校では見慣れた顔だ。 いつも俺より早く教室にいる隣の席のそいつに朝、「やぁ、おはよう。」と声を掛けられるのは当たり前の日常だった。 だからこそそいつの顔を見たぐらいで驚く必要なんて全くない。 ―ただし、それは学校で出会った場合の話であって、家のベッドで目を覚ましたときにそいつの顔があったという状況では当然― 普通に驚く。 「どうしたんだい?キョン。まさに鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をして。」 くっくっと悪戯っぽい笑みを浮かべてそいつは俺を見ていた。 正座の体勢で両手を床に付けて俺の顔をさも面白いものを見つけたかのように覗き込んでいる。 「佐々木?な、なんでお前がここに?」 状況がよく読みこめない。 意識ははっきりしている、と思う。 「ん?すこし挙動不審気味だね。少しばかり熱で意識が朦朧としているのかな?」 級友のしてやったり顔を見ながら、俺はだんだんと状況が読み込めてきた。 ここは間違いなく俺の家だ。 そして俺の部屋だ。 んで、平日の昼間にベッドで俺は何をしているかというと― 風邪で寝込んでいる。 とりあえずベッドの上で上半身を起こした。 布団のかかっていない背中が少し寒い。 「悪いな。まだモウロクするほど重病じゃねえよ。意識ははっきりしている。」 「それはよかった。病人を診断するときはまずは意識の確認をしなくてはならないからね。」 お前絶対俺が驚いくとわかっててやっているだろうが。 佐々木は制服を着ていて、通学鞄がその脇にある。 どうやら学校帰りのようだった。 「んで、なんでお前は俺んちにいるんだ?」 「病気で休んでいるクラスメイトの家に学校帰りに来る用事、その答えはこれくらいしか僕には思いつかないね。」 と言って俺にプリントを差し出した。 「あぁ、わりぃ。」 そう礼を言って受け取ったプリントを眺めてみる。 風邪をひいた体にテストのお知らせは毒だな。 「授業のノートならとってある。病気から全快して学校へ来れるようになったら遠慮なく複写依頼をしてくれたらいい。」 俺の表情から考えを察してくれたのか、佐々木からありがたい助け舟。 しかし、それでも俺の疑問は解決されない。 プリントを渡すだけならわざわざ俺の部屋にいなくてもいいじゃないか。 「あぁ、僕も玄関先でキミのご母堂にプリントを渡して失礼するつもりだったのが、 ちょっと買い物に行く間の留守番と君の看病役を頼まれてね。」 全く余計な申し出を。 看病なんてなくても大丈夫だ。 「いや、君の敵はどうやら病気だけではないみたいだよ。」 と佐々木は悪戯っぽい笑みを浮かべながら、鞄から手鏡を出して俺に見せてきた。 鏡に映る俺の顔、 ほっぺたに走る三本のひげ、 そして燦然と額に輝く「肉」の文字… 「ってなんじゃこりゃあ!」 佐々木は腹を抑えて、面白すぎて笑い声すら出ないという感じで笑っている。 「お前、佐々木ぃ!」 「いや僕じゃないよ。その素敵なフェイスペインティングはキミの妹さんの犯行だ。」 と右手を俺の前に突き出して、腹を押さえて笑いながら、呼吸するのも苦しいという感じで佐々木は言った。 風邪を引くわ、顔に落書きされるは、それを佐々木に見られて大笑いされるわ、まったく踏んだり蹴ったりだ。 「キミと妹さんを二人でほっとくと、どんな悪戯をするかわからないから、というのが僕がここで看病を頼まれた理由だね。」 そう言ってようやく笑いが収まりかけてきたようだ。 「くそー、顔を洗ってくる。」 妹よ、この恨みはらさいでおくべきか。覚えていろよ。 そう言って立ち上がろうとした俺を佐々木の細い手が制止した。 「キョン、ちょっと待ちたまえ。」 そういって右手を俺の額に、左手を自分の額に佐々木は当てた。 ふむ、などといいながらまるで科学者のような顔をした後、 「手と額の温度差で体温を推測するという古典的な手法だが、でも熱があるかないかくらいは判断できる。 キョン、キミは無理せず寝ていた方がいい。」 そういって佐々木は俺の肩を押して、ベッドに寝かせるとすぐ戻ると言って部屋から出て行った。 確かに、熱でしんどいのも事実だったので、おとなしくベッドで寝ているとしばらくして佐々木が戻ってきた。 「キョン、顔をこっちへ向けたまえ。」 そう言って、水で濡らしたハンカチで俺の額を拭き始めた。 こうやって間近で見てみると佐々木の白い手は小さいけれども、綺麗だ。 顔を拭く手は少し遠慮がちで優しくなでるようで、どこかくすぐったく、なんか恥ずかしい。 「あー、ありがとうよ、佐々木。」 「どういたしまして。まぁ、散々笑った贖罪だと思ってくれたらいいよ。」 そう言って佐々木は微笑んだ。 「あと、台所でいいものを見つけたので持ってきたよ。」 そう言って佐々木は氷枕を差し出した。 中の氷が溶けたので、中身を替えといてくれと母親に渡したやつだ。 「すまないな、何から何まで。」 礼を言うと、早速氷枕の上に頭を乗せてみた。 ひんやりとしていて気持ちがいい。 「あぁ、早くよくなって、学校へ登校してきてくれ。キミがいないと話し相手がいなくて寂しいからね―」 そう佐々木がしゃべっているのを聞きながら目を閉じていると、気がつけば眠っていた。 それからしばらくして目を覚ますと、熱はある程度引いたみたいで少し体が楽だった。 佐々木の作ってくれた氷枕はまだ少し冷たい。 そして、俺の額には綺麗に折りたたまれた佐々木のハンカチがのっていた。 すっかり冷たくなくなっていたハンカチだったが、 それでもしばらくそのまま額にのせてきたかった。 『佐々木の看病』
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ウイーンウイーンゴゴゴゴゴ 佐々木は今、ガンタンクもどきのモビルアーマーの着ぐるみ?を着ている。あくまでガンタンク「もどき」だよなー 「どうだね、このガンタンク型モビルスーツは。佐々木団で作ったんだよ」 モビルスーツでなくモビルアーマーだったはず。 「やったー、ちゃんと動いているのです」 「動力源は僕の持ってきたウルトラスーパーハイパーデラックスアルカリ乾電池だ。フン」 「―――ウルトラ―――スーパー―――ハイパー―――デラックス――アルカリ―――乾……電池―――は……200―――ボルト―――」 「フウ」 佐々木はそう言って着ぐるみ?を脱ぐ、というより脱出する。さすがに汗びっしょりで暑そうだ。 「キョンさん!!!!また佐々木さんをいやらしい目で見てますね!!!!」 「おいおい。そんな目で見とらんぞ」 「何言ってるのですか!!!!まるっきり強姦魔の目じゃないですか!!!!キョンさんはむっつりスケベなんだから、軽々しくキョンさんに気を許してはいけませんよ、佐々木さん」 せめて痴漢と言ってくれ。 「そう?二人きりの時は気をつけるわ」 おいおい、そんな目で俺を見るな。佐々木 「おいおい、根拠のない酷い妄想にだ止めてくれ」 「根拠?女の勘なのです」 「それが根拠無しと言ってるんだ。そんなことより、ガンタンクの腕の武器は3連装でなく4連装ボッブ……」 …………………… …………………… …………………… 「―――空気が―――重い―――」 ………… 「そうだったのですか?藤原さん」 「何で僕が知ってないといけない」 「―――間違い―――」 「細かいことは気にしないで、次は藤原君だったね。乗ってみたまえ」ハハハ 「これも既定事項だ。仕方なく乗るんだぞ」 「まあまあ佐々木さん気落ちしないで。細かい間違いはまた今度改造しましょうよ」 一瞬にして佐々木の機嫌が悪くなったのは俺のせい。もしかしてKYと思われている? 「―――キャタピラは―――イモムシに……似ている―――」 「キャタピラというのは英語でイモムシという意味だからね。そもそもキャタピラとは――(以下略)――」 九曜のボケのおかげで佐々木の機嫌が直ったのは良いが、佐々木団に俺の立場は果たしてあるのか… 「今度改造する時はキミも手伝ってくれないか?専門家がいてくれると助かるんだ」 「よし、まかしておけ」 「グフとドムも作ってみましょう。次からは、キョンさんもお願いします」 (おしまい)
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/192.html
昼休み、谷口がいきなり変なことを言い出した。 谷口「おーい、キョンお前の姉さん美人なんだってな。」 キョン「あ?誰がそんなことを…ってお前か。」 国木田「ゴメンね。谷口がいろいろと聞いてきてね。」 谷口「どうなんだよー。本当なんだろ?一度あわせてくれよ。」 キョン「あーもう、うるせーな」 キョンの姉貴が佐々木で、佐々木の弟がキョン キョン「ただいま。」 別に誰に言うでもなくつぶやく。習慣ってやつだな。聞こえていないと思っていたのだが聞こえていたらしい。 佐々木「おかえりキョン。今日は真面目に勉強したのかい?母さんが君の成績表を見て、何度もため息ついているようだったが」 玄関に立っているこいつは俺の姉貴だ。妙に小難しい話し方をする。頭はいいほうだ、俺と違ってな。 キョン「ああ、ただいま。ところで何故、玄関に立っているんだ?」 佐々木「君の帰りを待っていたといったら?」 キョン「は?」 佐々木「くっくっ、嘘さ。ただここを通り過ぎようとしたら君の自転車のブレーキ音が聞こえたものでね、待っていたのさ。」 キョン「ああそうかい。」 そういって俺は靴を脱ぎ捨て、自分の部屋に行こうとするときに、呼び止められた。 佐々木「ところでキョン。君は今日の夜、何か用事はあるかな?」 キョン「別に何もないが…なにかあるのか?」 佐々木「いや、今日ビデオ屋に行ってみたんだ、そしたらなかなか面白そうなDVDがあってね。」 キョン「ああ、いいけど…何借りてきたんだ?」 佐々木「『時をかける少女』さ」 キョン「…それこの前にテレビできていたぞ。」 佐々木「ああ知っているさ、しかし僕はそれを見ていないのだがね、友達が面白かったといっていたのを思い出してね。」 キョン「ああ分かった。」 佐々木「では、楽しみにしているよ。」 その後、飯食って風呂入ってシャミセンとベッドでゴロゴロしているときにノック音が聞こえたので、適当に返事した。 佐々木「キョン?起きているかな」 キョン「ああ、まだ9時だからな、寝る気にはなれないんでな。」 佐々木「じゃあ見ようか。」 そして、俺らは『時をかける少女』を見始めた。 佐々木「…時間は不可逆といっているのに何故主人公は戻るのだろうね。」 キョン「そういうものだ。映画なんだし適当に見ておけ」 佐々木「つれないな」 まあ内容は割愛しよう。というか、途中から意識がないんだ。つまり寝たんだ。 キョン「…ん」 目が覚めた。目の前には姉貴の顔と、蛍光灯。妙に柔らかい感覚。 佐々木「やっと起きたかい?」 キョン「…俺、寝てたのか?」 佐々木「主人公が告白される前にね。」 キョン「…どの場面だよ。」 佐々木「なんせ君が寝ていたときだ。わかるはずもない」 キョン「そうだな。」 佐々木「あと、そろそろ降りてもらえるとうれしいのだがね。」 俺はそのとき理解した。姉貴は俺を膝枕していたのだ。 キョン「わ、悪い。」 佐々木「別に悪い気分ではなかったのだが、足がしびれてきてね。」 キョン「今…何時だ?」 俺が時計を確認する前に姉貴は答えた。 佐々木「深夜の2時さ。君はずいぶん寝ていたようだったが、そんなに疲れていたのかい?」 キョン「別に疲れることはしていないさ、ハルヒからギャーギャー言われて、変な集まりの中で古泉とゲームして、朝比奈さんのお茶で喉の渇きを潤して、長門の本の合図で帰ってきたのさ。」 佐々木「楽しそうだね。僕もそんな高校生活が送れたら良かったものなんだが。」 ああ、言い忘れてたな。姉貴は大学生だ。近くの国立大に推薦で軽々入ったのだ。 キョン「平穏な高校生活が欲しかったよ。俺は。」 佐々木「あとで思い出すと、いいものだと思うよ。」 そういうと、姉貴は立ち上がり、部屋を出て行こうとする。俺はただ、その姿をボーっと眺めていた。 佐々木「どうしたんだい、そんなに見つめて。僕と一緒に寝たいのかい?」 俺はすぐにからかっているものだと分かった。本気でこんなことをいうやつがいるわけがねぇ。 キョン「ああ、寝たいよ。」 からかわれたら、からかい返す。基本だな。しかし、意外な答えが返ってきた。 佐々木「そうか。嬉しいね。じゃあ寝るとしようか。」 俺は最初訳がわからなかった。ああ、からかってるんだな。ならば徹底抗戦だ。 キョン「じゃあ俺はもう寝る。」 そういうと俺は布団をかぶった。こうして、相手の出方を待つ。「くっくっ、冗談だよ」とでもいうがいいさ。 佐々木「もう少しつめてくれないか?僕のスペースがないんだ。」 徹底抗戦だ。言われたとおり、少しつめる。 佐々木「ああ、このくらいあれば大丈夫だろう。」 そういうと、姉貴は布団に入ってきた。 佐々木「おやすみ、キョン」 そういうと、姉貴は目をとじた。しかし、シングルベッドに二人はきつい。 キョン「……」 俺は絶対そのうち起きて、「本気にしたかい?」というのを待っていた。しかし、 佐々木「くーくー」 規則的な寝息が聞こえてくる。これも罠か?と思ったときに姉貴はもぞもぞと動きながら俺の真後ろに来た。 寝息がうなじにかかり、こそばゆい。それになんか甘い匂いもしてきた。 俺はうろたえている間に姉貴は俺の脚の間に脚を絡ませてきた。 くそ。こんな攻撃耐えてやる。耐えてやる。たえて…や…r ふと目が覚めると、目の前は真っ暗だった。何か目の前に圧迫感がある。柔らかい。いい匂いがする。 頭が覚醒してくる…まさかな…そう思って頭を離そうとしたが頭が何者かにロックされているらしい。離れようと少々暴れると、嫌な事態が起きた。 佐々木「ん…きゃぁ!!」 妙に可愛らしい声とともに投げ出された。久しぶりかもな。姉貴のこの声。 そうだ。わかっている人もいるかもしれないが俺は姉貴の抱き枕状態で寝ていたのだ。ついでに言うと、姉貴の胸は朝比奈さんに比べるとまだまだだな。比べるものが悪いのか? とまぁこんな感じで俺の日常は過ぎていく。まぁ退屈になることは少ないな。多分俺は楽しいと思っている。 そして今日も、 佐々木「キョン、今日も暇かい?…ちょっと買い物に付きあって欲しいのだが…」 と、こんな感じだ。 fin
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/64.html
プロローグ 「そろそろ通りかかります」 まるで噂話をするかのように声のトーンをおとし、橘がそう呟いた。 「あ、ほらほら。見えてきましたよ」 声のトーンを落としたままそう続けた。何を興奮しているのか先ほどより若干大きくなっている。 しかしまだ見えたといっても一人の女子学生が歩いていると確認できる程度で、こちらの声なんか聞こえる距離ではない。 この距離で聞こえるなら聖徳太子といい勝負ができそうだ。普通に声を出せばいいものを。 「いや、それは一概には言えないんじゃないかな。現在科学で証明されているだけでも人間には20以上もの感覚が存在するんだ。 僕たちがこうしている間にも日々科学は発達しているのだから、将来更に見つかる可能性は十分に残されていると言えるね。 それに一般的な五感だけでも聴覚以外に視覚というものがある。耳で聞こえなくても目で見て勘でなんとなく気づく人だっているってことさ。 僕にだって今のキミの憂鬱そうな気分くらいなら分かるからね」 声を押し殺すような独特な笑い方をしながら佐々木が語りかけてきた。 相変わらず小難しい話をしてくるな。悪いが俺の頭は認めたくはないが谷口より少し上くらいだぞ。 誤解のないように言うが学力なら、ということだ。 「お前とは中学の時から一緒だからな。それなりに付き合いもあったから分かるが」 佐々木とは週に2回ほどとはいえ一年ほど共に塾に行き帰りが一緒だったからな。 だが佐々木と俺の学力は昼寝をする前のうさぎとかめくらいのどうしようもない差があった。 だからてっきり俺たちはそれぞれの学力に合った高校に行くと思ったのだがなぜかこいつはここにいる。 もっと上のレベルを狙えただろうに北高にくるとは物好きなもんだ。 毎日ハイキングをして通学するような場所にあるってのによ。 「北高にも特進クラスがあるからね。とりあえず一年間は様子を見てからそっちにいくかどうか決めるよ。 それにあの通学路は中々健康的でいいじゃないか。運動部に入っていない僕たちにはちょうどいい運動さ。 キミと歩きながら色々話もできるし僕としてはとても有意義な通学路なんだよ」 そのおかげで毎日遅刻寸前で学校に通う羽目になってるんだがな。 それでもなんとか遅刻をしないのは母親に命ぜられ面白半分で起こしにくる我が妹と、 それをわざわざ待ち続ける佐々木のおかげといっても過言ではない。 しかし通学路に対する考え方だけでもつくづく頭の出来が違うと感じるね。 もし神様がいるなら一言くらい文句を言っても罰は当たらないんじゃないか? まぁ宗教に無縁な俺が語っても説得力が微塵もないわけだが。 俺がもし真剣に進学を考えるならそんな暇はないと断言してもいい。 頭のいい人間の考えることはよくわからん。 「それよりキミはそれなりの付き合いと言ったが、僕とキミとの一年間の思い出に関してどう認識してるんだい? 少なくとも僕にはそれ相応にキミとの思い出を育んだつもりだがね」 そう言いつつ少し皮肉交じりに微笑しながら、俺をからかうような目線を送っている。 それ相応の付き合いか。まぁ佐々木とは塾の行き来を1年ほど続けていたとはいえ、 他はクラスでの会話などありふれた内容が多くて特別何かあったわけでもないんだよな、俺が覚えている限りでは。 いつもなら他になにかあったかと思い出そうとするんだが生憎今はそんな場合ではない。 だがお前は紛れもなく中学校時代親しくした友人の一人には違いないさ。 そんなことを考えていると突然、あからさまに不機嫌な声色で会話に混じってきた。 「やっとお出ましか。全く無意味な時間をすごしていたようでならないな」 声だけではなくうんざりとした表情で藤原は言った。あまりの不快感からか唇まで大きく歪んでいる。 ただでさえ普段から無愛想なくせにこうなると更に忌々しい。 というか俺は別にお前について来いと頼んだわけじゃないんだぜ? お前のその顔を見ているとただでさえ気分が悪いのに更に悪化する。 「あんたに言われるまでもなくついていくつもりはさらさらなかったがこれも指令なんでな」 女子生徒の待ち伏せまで指令に入ってるとはご苦労なことだ。 未来でアイドルやら有名人やらになると決まっている女子生徒の情報を確保し金儲けでもするつもりなんだろうか。 もしそうならストーカーとして逮捕されちまえばいい。 「―――退屈」 そう一言ぽつんと九曜が言った。量の多い髪は強い風が吹いても少しもゆれることはない。 初対面のときから慣れたとはいえ、無機質な顔にガラス玉のような黒い瞳は未だに少し不気味だ。 九曜本人から聞いた話によるとここの時間の流れは元々いた場所よりかなり遅いらしい。 そのせいかいつもぼーっとしてたり眠そうに過ごしている。正直何を考えてるのかほとんどわからん。 まさか宇宙人ってのはこんな変なやつばっかりなんじゃないだろうな。こんなのはこいつだけと信じたいもんだ。 「何ぶつぶつ言ってるんですか?だんだん近づいてきてるんですからお静かに」 すこし怒気を含みながら橘が話を戻した。俺だって好きでこんなぶつぶつ言ってるわけじゃねぇよ。 「佐々木さんの…いや、世界を元に戻す第一歩なんですからしっかりしてください」 「俺はまだ一言も協力するとは言ってないぞ」 いつの間にそんな展開になっているんだ? 俺は佐々木の件さえなければこいつらと顔をあわせることすらなかったはずだ。 自分の進む先に待ち伏せされているのを知ってか知らずか女子生徒は足早に俺達の方に向かっていた。 遠くから見る限り普通の女子生徒にしか見えないのだが、橘の説明どおりならとんでもない存在だ。 だがこの頃の俺はまだ橘達の言うことを完全には信じちゃいなかった。 同時に自分の運命が変わり始めていることにも気づくことができなかったわけだが…。 桜の花はとっくに散り早くも夏の陽気を垣間見る5月の終わりの午後、 日が傾き始め俺達を赤く染め始めた頃のことである。俺達はある人物を待ち伏せていた。 その人物とは… 「あれが涼宮ハルヒさん。佐々木さんの力の所有者よ」 ―――多分、というか絶対と言い切ってもいいと思う。 今この説明だけではなぜこうなったのか…なんてのはほとんど分からないんじゃないだろうか。 説明口調は橘や佐々木のほうが得意だし俺としてもこいつらに任せたいのだが俺が語り手である以上俺がやらなくちゃならんようだ。 元々不向きなのは重々承知してるさ、だから多くは望まないで聞いて欲しい。 佐々木とキョンの驚愕プロローグ 佐々木とキョンの驚愕第1章-1 佐々木とキョンの驚愕第1章-2 佐々木とキョンの驚愕第1章-3
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キョン「もしもし佐々木か?」 佐々木「キョンかい?君の方から電話してくるなんて珍しいじゃないか」 キョン「実はな、頼みたいことがあってな」 佐々木「頼みって?」 キョン「実はまた勉強を見てほしいんだ。今度の試験がやばくてな」 佐々木「またなのかい?まぁほかでもない君の頼みならやってあげるよ。教科はなんだい?君はたしか理系がにがてだったよね?」 キョン「いや、今回は国語の漢文のほうが「キョンくーん!勉強おしえてー」こら!今電話中だから後にしなさい!「今すぐじゃないとだめなのー」 佐々木「妹さんかい?」 キョン「ああ、スマンがちょっと待っててくれ―――― 「まったく。で、どこが分からないんだ?」 「ここー!」 「どれどれ?なんだまた積分かよ。前におしえただろ?ここはこうしてだな」 「あーわかった!」 「な?あとは一人でできるだろ」 「うん!ありがとキョンくん!」 「兄と呼べ!」 やれやれ。あスマン、何の話だっけ?」 佐々木「……教科の話だよキョン」 キョン「ああ、そうだった。今回は漢文が出そうなんだ。そこらへんよろしく頼む」 佐々木「わかったよ。ついでだからほかの教科も見てあげるよ」 キョン「本当か?それは助かる。持つべきものは友だな」 佐々木「ふふ、そう言ってくれるとうれしいよ、キョン。なんだったらいつでも勉強を見てあげてもいい」 キョン「そうか、まぁ週末は不思議探索もあるから暇があまりないかもしれないけど、機会があったら頼むとするよ」 佐々木「わかったよ、それじゃ」 キョン「ああ、じゃあな」 佐々木「いい感じに育ってるね。この調子ならキョンと一緒に楽しいキョンパスライフも…」 佐々木さんはおやじギャグが趣味のようです
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/305.html
水泳の授業中、自由時間になったので、佐々木と並んで座ってだべっていた。 「くっくっ、さすがにこうして水着になると、僕らもお互いの性別の違いを意識せざるをえないね」 そう言って、佐々木は立ち上がると、自分の尻に食い込んだ水着を直した。 なるほど、こうして目の前にある佐々木の尻を見てみると、確かに肉付きが違うな。 俺も佐々木も十五歳、男女の体の違いも、こうしてはつきりしてくるんだな。 俺は、手を伸ばして、確かめように、佐々木の尻を掴んでみた。 「ふーん」 思わず感嘆の声が漏れる。 思ったよりも柔らかい。指が埋まっていくようだ。 なかなか面白い感触だな。 「それにしても、お前もよく日焼けしたなあ……」 尻に貼りついている水着を少しめくってみると、よくわかる。 白と小麦色のコントラストがはっきりしていた。 「そういうキョンだって相当なものさ……というか、キョン」 「何だ?」 「女子の、そういうのを確かめるのは、お尻の方じゃなくて、こっちでやるものなんだがね。」 そう言いながら、佐々木は自分の水着の肩紐をずらして見せた。 「そんなの知らねーよ」 俺は、摘んでいた佐々木の水着を思いっきり引っ張って、尻に食い込ませてやった。 「きゃっ!」 ハハハ、そういう声がでると、ようやく女子って感じがするかな。 「キョンも佐々木さんも、いつまでじゃれあってんのー?いくよー」 国木田が呼んでいる。 そろそろ授業も終わりのようだ。 おしまい
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キョン「それはな…」 佐々木「それは?」 キョン「それは…」 妹「キョンくん、ハサミー貸してー!」 キョン「わっ!こら、部屋に入るときはノックしなさいって何度言ったらわかるんだ」 妹「テヘへー。ハサミ借りるねー!…あれ?なにこれー?」 キョン「あっ…」 妹「おっきなハサミー!ねぇキョンくんこれなにー?」 キョン「それは俺が佐々木に…」 佐々木「キミが、僕に?」 キョン「いや、その…なんでもない。ほら!ハサミ貸してあげるからはやく出て行きなさい!」 妹「はぁーい」 佐々木「キョン、あのまるで美術品のような鋏はいったい?」 キョン「あ、ああ、あれか?あれはだな…」 佐々木「ちょっと触ってみてもいいかい?」 キョン「え?あ、ああ…」 佐々木「まるで庭師になった気分だよ。んっ…なかなか重たい」 キョン「やっぱりお前はブルー以外ありえねぇ」
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今日はそりゃあもうとんでもない台風が来ていて、更に質の悪いことに、 塾の行きの時には雨風は止んでいたが、帰りには凄まじいほどの雨風が俺と佐々木の二人を 非情に打ち付けていた。 「・・・こんなんじゃあ自転車使えないよな?」 「やめておいたほうが良いね」 佐々木はやや憮然とした面持ちで即答。 「僕はこのような非常事態を見越して、折りたたみ傘を持ってきたのだが」 と佐々木は紺色の折りたたみ傘を出す。用意の良い奴だ。 「キョン、君は甘いのさ。いくら一時的に雨風が止んだからといってそれは台風が過ぎたという証拠にはならないのだよ」 薄々感付いてはいたがな。 生憎折りたたみ傘は我が愚妹がミヨキチの家に行くといって持っているのだ。 ノーマル傘ならあったのだが、自転車に乗ることを考えて面倒になり、結局は手ぶらで出てきたのである。 「さてどうする?傘が一つだけあるから、自転車はひとまずここに置いといてバス停まで向かうという策が最善だと 僕は思うんだが」 幸い、自転車は塾専用の屋内駐輪場に置いてあるために撤去されたり錆びたりというような心配も無い。 帰りに本屋に寄ろうと思って千円ほど持っているしな。 「いや、君は良いのかい?」 何の話だ。 「傘が一つしかないのだが」 あぁ、バス停くらいまでの距離なら別に濡れても平気だぜ。 走ればなんとかなる。 「・・・いや、あまり雨を浴び続けるのは健康面から見て良くないだろう」 何が言いたいんだ佐々木よ。まぁよくわからないのはいつもの事なんだがな。 「・・・この場合は二人で傘に入るのが最も得策かと思うんだが・・・」 と、そこまで小声で言って佐々木はうつむいた。 「嫌なら構わない」 いや、別にいいけどよ。 幸いというべきかこの塾に来ている同学年の連中は佐々木のみだ。 お調子者の男子に見られて翌日妙な噂が立つこともないだろう。 「良いんだね?」 はやし立てるような口調の佐々木。珍しいな。 「あぁ、別に良いぜ。というか折りたたみ式に俺たち二人が入れるほどのキャパシティがあるのかどうかが心配だ」 「大丈夫だよ」 と佐々木は言い、紺の折りたたみを広げ始めた。 なんかずいぶん複雑な手順を踏んでいるな? 「さぁ、行こうか」 折りたたみとは思えないほど巨大な傘が完成した。 よく考えてあるな佐々木。さすがと言うべきか。 「失礼」 俺は佐々木の隣に立ち、傘に入る。 傘を握っているのは佐々木で、くっついた肩の体温がやけに生々しい。 「・・・」 佐々木がやや赤面している。どうした?寒さで逆に熱でも出たのか? 「いや、何でもないよ」 傘をリズミカルに叩く雨粒の音は、俺たちを包み込むかのように傘の下だけに響いていた。 しばらくそうして歩いたか。バス停が見えてきた。 「やっと着いたな」 傘を差していても横風が凄まじいので服が濡れるのなんの。 佐々木の服も、素肌にピッタリとまとわりついていて・・・なんというか。 情熱を持て余した、とだけ言っておこう。 「バスはまだ来ていないようだね」 バス停は屋根に覆われているとはいえ、横風と共に雨が入ってくる。 しつこい野郎だ。どっか行け。 「次のバスは―」 佐々木がそう行って時刻表を見に行った時だった。 「きゃっ!?」 突然の暴風に、佐々木のスカートが捲り上げられ、白い素肌と・・・ ・・・まぁ、あれだ。あっちの方も白だった、と言っておこう。 「・・・見たな」 見ませんでした、とは言ったが本心が顔ともう一箇所に出ちゃっていたようで。 佐々木は赤面しつつ俺の顔と脚の付け根に一瞥をくれると、腕を組んで目を逸らした。 「ま、まったく。只の布じゃあないか、下らない」 バスが来るまで、佐々木はずっとそんな調子で俺に説教をくれていた。 雨粒を弾きながらバスがやってきた時は、何故か俺は台風に感謝していた。